誰もが可能性を持っている
4月14日、ウイークリー知事現場訪問で、平塚市の社会福祉法人 進和学園が今年3月に開設した知的障害者福祉工場「しんわルネッサンス福祉工場」を訪ねました。
今回の訪問は、昨年の「知事と語ろう!神奈川ふれあいミーティング」の会場で進和学園の皆さんからお招きのメッセージをいただきました。その後も福祉工場の進み具合の報告などのお手紙まで頂戴しました。ぜひとも工場の完成の暁には、おうかがいすると約束をしていましたので、ようやく念願がかなっての訪問となりました。
この福祉工場は、本田技研工業株式会社の協力を得て、現在、知的障害のある従業員の皆さん16名が自動車部品の組み立て加工を行っています。知的障害者の福祉工場としては、県内2カ所目で、ここで働く皆さんは最低賃金法が適用される労働者です。隣は、神奈川県の農業技術センターで、丹沢の山並みを臨む、大変環境のよい場所にあります。
オープンしたばかりの工場は、周辺環境にも配慮したデザインで、働く意欲が湧いてくるような整然とした、そして清潔な就労環境に驚かされました。また、ここは「通所授産施設」も併設されており、同じラインで福祉工場の皆さんと通所授産施設の皆さんが力を合わせて働いています。通所授産施設の皆さんにとっては、責任ある仕事を任されている福祉工場の皆さんとともに働くことは大きな励みとなり、いい目標になっているそうです。
この工場で作られた部品は、「世界のホンダ」の自動車に送られ、直接使われるそうです。指導する職員の皆さんのご努力もさることながら、障害があっても一生懸命に仕事に専念している皆さんの成果の賜物だと、感動を覚えました。工場のラインで真剣に作業に取り組んでいる皆さんには、「がんばってください!」と声を掛けさせていただきました。(邪魔になるといけないと思い、なるべく話し掛けるのは控えました。)
そして、ここの取組みの特徴は、ホンダとの取引の営業窓口会社として、株式会社 研進という会社を設立し、企業的運営を導入していることです。価格交渉や在庫管理をこの会社が専門的に行うことで、安定的に仕事を請け負うことができるのが大きな強みだと思います。
工場を見学した後、働いている皆さん、その親御さん、職員の皆さん、工場周辺の住民の皆さんとともに、意見交換の場を持ちました。この意見交換で一番印象に残ったのは、この福祉工場が地域の住民の皆さんにも信頼され、支えられているということです。住民の皆さんは、この福祉工場の建設段階から協力を惜しまなかったとうかがいました。地域の住民に支えられ、企業の社会貢献に支えられ、そうした支え合いの輪の中で、障害者の皆さんが本当に明るく働いています。他の地域では、時に福祉施設が地域に受け入れられずに苦しい思いをすることもあると聞いているので、この進和学園が地域と共生していることに感銘を受けました。
私が訪れた翌週の土曜日には、横浜国立大学名誉教授の宮脇 昭先生のご指導のもとで、「しんわルネッサンス植樹祭」が行われ、5千本近い植樹を福祉工場の周辺で実施されたそうです。
植樹された木々がすくすくと成長し、生命を広げていくように、障害のある皆さんも、ご自分のもつ可能性を最大限に生かしていけることを願っています。そのためには、皆さんが働き、活動する場がいろいろな形で地域に存在することが必要です。障害のある人もない人もみんなが、いきいきと暮らせる神奈川づくりに、県としても最大限の支援をしていきたいと思っています。
最後になりましたが、意見交換会の時にいただいた、皆さんが作ってくれたロールケーキ、大変おいしかったですよ。「ごちそうさまでした!」また、帰りがけには、皆さんが栽培しているしいたけや手作りのクッキーもいただきました。皆さんの笑顔に見送られ、温かい気持ちでいっぱいになって、施設を後にしました。

