「新・地方の時代」~自治体学会20周年に寄せて~
「自治体学」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「行政学」ではなく、自治体の学問ということです。自治体学は、地方分権改革の出発点ともいうべき「地方の時代」を提唱した長洲一二神奈川県知事が、地方の時代の理論的なバックボーンを創ろうと提唱した新たな学問領域です。
この自治体学を生み出していこうとの長洲知事の提案を受けて、全国の自治体職員や市民、ジャーナリスト、研究者が結集して生み出されたのが「自治体学会」です。このユニークな学会は1986年5月23日に神奈川の地・横浜開港記念会館で誕生したのです。私は、県議会議員の時代から、この自治体学会の地域フォーラムに参加して発表をしたり、学会員として自治に関する研究交流の機会を得てきました。
今年は、自治体学会が誕生して、ちょうど20周年です。20回目を迎える記念大会を8月25日に神奈川で開催する運びとなりました。前日にはこの自治体学会設立のきっかけにもなった「全国自治体政策研究交流会議」が開かれ、学会と会議が一体として展開されます。
今年の統一テーマは「『新・地方の時代』へ~神奈川からの発信」です。私もテーマ設定の際には、このテーマがいいと申し上げました。ちなみに、サブテーマは、「交流会議」では「『自治のかたち』を問い直す~暮らしからみた『地方分権』」、「学会」では「『市民の政府』を創る」となっています。
長洲知事が1978年に提唱された「地方の時代」は、その後、一連の地方分権改革の実現をみて、現在も三位一体改革などで、時間はかかっていますが、着実に進展をみてきたと思います。
私も知事として、さまざまな場面で、地方分権型の「国のかたち」への転換を訴えています。いくつかの提案を挙げると、三位一体改革の推進に当たってしっかりとした土俵づくりをするための「三位一体改革推進法」の制定、地方が主導権をとって実現する「道州制」の推進、自治体の広域連携を進める「首都圏連合」の実現などです。同時に、大規模基礎自治体における分権化の推進など、住民に近い自治の仕組みづくりも提言しています。まさに、今回のテーマにあるように新たな「自治のかたち」「市民の政府」の提唱を続けています。
今回の会議と大会は、神奈川県、横浜市、川崎市や県内市町村との連携で開催していますので、私と川崎市長は24日の政策研究交流会議でパネリストとして参加しますし、25日の自治体学会には、横浜市長や大和市長がパネリストで参加されます。
今、この時期に「新・地方の時代」の旗印のもとに、全国の自治体関係者~市民、自治体職員、ジャーナリスト、議員、首長、研究者~が集合して、現場の課題や実践をベースに侃侃諤諤と政策議論を展開することは、時宜を得たものと思います。私も、全国各地で地方分権の推進や市民自治の確立に努力を重ねている皆さんと、交流し議論することを楽しみにしています。
かつて1986年の設立記念のレセプション「情報交換会」は、横浜港に浮かぶ氷川丸の船上で「学会の船出」を祝ったと聞きます。20年目の今年は、未来都市のような「みなとみらい」のスカイスクレーパーを臨む横浜港の水際「Bank ART」で開催です。この20年間の自治の「航跡」を振り返るとともに、未来を見晴らして「自治の未来」を構想する場になることと期待しています。
大いに自治を語り合い、「新・地方の時代」を神奈川から発信しましょう。
8月 21, 2006 自治・分権 | Permalink | コメント (135) |

