『インベスト神奈川―企業誘致への果敢なる挑戦』を発刊
平成15年(2003年)4月、私が知事就任した3年半前、神奈川県経済はドン底の状況にありました。
「経済の再生なくして地域の発展はない」という信念のもと、私は、これまでにない大胆な産業政策を今こそ打ち出さなければならないと、決意したのです。職員と喧喧諤諤(けんけんがくがく)の議論の末に、「日本一ダイナミックで充実した政策をスピーディ」に組み上げることができたのです。
これが総合的な企業誘致政策「インベスト神奈川」です。
日産自動車のカルロス・ゴーン社長から、
「どの行政も、こうした取組みを行えばグローバル経済のなかで成功を収めることができる。」
との賞賛の言葉をいただいた全国トップレベルの「インセンティブ・パッケージ」(企業誘致総合政策)なのです。
平成16年(2004年)10月のスタート以来、18年12月までに、42社・44件の企業が神奈川県に進出・新規投資を決めていただきました。
この中には、日産自動車をはじめ、キャノン、ソニー、リコー、横河電機、味の素、富士フィルム、富士ゼロックス、武田薬品工業などなど、そうそうたる世界的なトップ企業が含まれています。
同時に、湘南デザイン、横浜油脂工業、芝技研、日本ビー・ケミカル、小俣木製作所、コイワイ、協同油脂など、しっかりとした技術を持ちベンチャー精神にあふれる中小企業も多数含まれています。
確かに、神奈川県としても、助成額は615億円という、これまでに例を見ない大きな「投資」であります。しかし、既に、これまで対象企業が、神奈川県に投下する「投資額」は、4700億円を超えています。さらに、平成17年10月までの19件だけで経済波及効果は9兆3000億円に上ると推計されています。施設整備による雇用増大は約27000人、今後15年間に見込まれる税収の増加は3700億円を超える見込みです。
このたび、この「インベスト神奈川」の立案から、実際の企業誘致の取組み、さらには進出企業の「生の声」、トップセールスの「秘話」までを紹介した『インベスト神奈川―企業誘致への果敢なる挑戦』(日刊工業新聞社)を出版しました。
前に紹介したゴーン社長のコメントは、ゴーン社長から特別にいただいた、この本の「発刊に寄せて」にある言葉です。
ゴーン社長の言葉にもあるように、地域経済もグローバルな「競争」の中に、否応なく巻き込まれています。本書にも書いたのですが、なぜ、この時期に思い切った「投資」判断をしたのか?企業はまさにこの時期に再生に向けた設備投資に着手しようとしていたのです。この時期を逃せば、企業を呼び込むことはできなかったでしょう。あるいは他の地域に企業は進出してしまったでしょう。
本書では、武田薬品工業をめぐる大阪府との「攻防戦」を紹介していますが、他の企業もグローバルな視野の中で、「最適な進出先・投資先」の地域を真剣に比較検討していたことは間違いないのです。企業も生き残りをかけた真剣勝負です。行政としても、生き残りをかけた真剣勝負をしなければならないのです。
私は、神奈川県を預かる「経営者」として、最善の決断をしたという自信を持っています。
「インベスト神奈川」でも優秀な中小企業の皆様を支援させていただいていますが、さらに、「神奈川R&Dネットワーク構想」によって、神奈川の中小企業への波及効果をねらっています。
今後も、グローバル経済の中でのベストプラクティスを目指して、さらなる「秘策」を打ち出す準備を進めています。
『インベスト神奈川―企業誘致への果敢なる挑戦』をお読みいただき、皆様からのご意見をいただければ幸いです。
日刊工業新聞社ホームページ: http://www.nikkan.co.jp/

