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2006年12月28日 (木)

『インベスト神奈川―企業誘致への果敢なる挑戦』を発刊

平成15年(2003年)4月、私が知事就任した3年半前、神奈川県経済はドン底の状況にありました。
「経済の再生なくして地域の発展はない」という信念のもと、私は、これまでにない大胆な産業政策を今こそ打ち出さなければならないと、決意したのです。職員と喧喧諤諤(けんけんがくがく)の議論の末に、「日本一ダイナミックで充実した政策をスピーディ」に組み上げることができたのです。
これが総合的な企業誘致政策「インベスト神奈川」です。

日産自動車のカルロス・ゴーン社長から、
「どの行政も、こうした取組みを行えばグローバル経済のなかで成功を収めることができる。」
との賞賛の言葉をいただいた全国トップレベルの「インセンティブ・パッケージ」(企業誘致総合政策)なのです。

平成16年(2004年)10月のスタート以来、18年12月までに、42社・44件の企業が神奈川県に進出・新規投資を決めていただきました。
この中には、日産自動車をはじめ、キャノン、ソニー、リコー、横河電機、味の素、富士フィルム、富士ゼロックス、武田薬品工業などなど、そうそうたる世界的なトップ企業が含まれています。
同時に、湘南デザイン、横浜油脂工業、芝技研、日本ビー・ケミカル、小俣木製作所、コイワイ、協同油脂など、しっかりとした技術を持ちベンチャー精神にあふれる中小企業も多数含まれています。

確かに、神奈川県としても、助成額は615億円という、これまでに例を見ない大きな「投資」であります。しかし、既に、これまで対象企業が、神奈川県に投下する「投資額」は、4700億円を超えています。さらに、平成17年10月までの19件だけで経済波及効果は9兆3000億円に上ると推計されています。施設整備による雇用増大は約27000人、今後15年間に見込まれる税収の増加は3700億円を超える見込みです。

このたび、この「インベスト神奈川」の立案から、実際の企業誘致の取組み、さらには進出企業の「生の声」、トップセールスの「秘話」までを紹介した『インベスト神奈川―企業誘致への果敢なる挑戦』(日刊工業新聞社)を出版しました。
前に紹介したゴーン社長のコメントは、ゴーン社長から特別にいただいた、この本の「発刊に寄せて」にある言葉です。

ゴーン社長の言葉にもあるように、地域経済もグローバルな「競争」の中に、否応なく巻き込まれています。本書にも書いたのですが、なぜ、この時期に思い切った「投資」判断をしたのか?企業はまさにこの時期に再生に向けた設備投資に着手しようとしていたのです。この時期を逃せば、企業を呼び込むことはできなかったでしょう。あるいは他の地域に企業は進出してしまったでしょう。

本書では、武田薬品工業をめぐる大阪府との「攻防戦」を紹介していますが、他の企業もグローバルな視野の中で、「最適な進出先・投資先」の地域を真剣に比較検討していたことは間違いないのです。企業も生き残りをかけた真剣勝負です。行政としても、生き残りをかけた真剣勝負をしなければならないのです。
私は、神奈川県を預かる「経営者」として、最善の決断をしたという自信を持っています。

「インベスト神奈川」でも優秀な中小企業の皆様を支援させていただいていますが、さらに、「神奈川R&Dネットワーク構想」によって、神奈川の中小企業への波及効果をねらっています。
今後も、グローバル経済の中でのベストプラクティスを目指して、さらなる「秘策」を打ち出す準備を進めています。
『インベスト神奈川―企業誘致への果敢なる挑戦』をお読みいただき、皆様からのご意見をいただければ幸いです。

日刊工業新聞社ホームページ: http://www.nikkan.co.jp/

12月 28, 2006 地域経済・産業 | | コメント (24)

2006年12月25日 (月)

首長多選禁止の条例化を~責任ある自治体として~

去る12月17日に、神奈川新聞に首長の多選禁止に関する投稿をさせていただきました。(下記をご参照ください。)

これに対して「議会軽視」との批判がありましたが、条例案を提案した後に、それについての発言を議会以外の場所で一切してはいけないというようなルールはどこにもありません。新聞投稿あるいは記者会見で、自分の考えを述べることは言論の自由ですから、自由に行ってよく、全く問題ないと考えています。
特に、首長の多選禁止は大きな議論でありますから、県民の皆さんにも広く開かれた形で議論する方が望ましいし、民主政治の発展につながると思っています。

今回、県議会12月定例会に、知事は連続3期を超えて在任できないとする多選禁止条例を提案しました。 
しかし、12月21日の本会議で、賛成は、民主党・かながわクラブ、神奈川ネットワーク運動、市民の党、社会民主党の皆様。
反対は、自民党、県政21・県民の会、公明党、共産党、山百合クラブの皆様。
結果として、反対多数で、多選禁止条例は否決されてしまいました。

議員の皆様からの質問には、私や県の担当者は十分に説明してきましたが、県政の信頼回復の一歩と位置づけた条例案に理解を得られなかったのは、大変に残念です。自治体に対する厳しい世論に責任を感じざるを得ません。

改革のフロントランナーにとってハードルは高いというのは世の常です
多選禁止条例は、神奈川県議会では今回は否決されてしまいましたが、神奈川県の条例提案の動きがリードする形になって、他の先進的な自治体で、多選禁止条例が議論されたり、提起されようという動きが出てきました。全国知事会でも議論を継続していくことになりました。
そういう意味では、新しい地方政治改革の扉を開いた重要な挑戦となったと思います。今後、日本各地の先進的な自治体がこうした挑戦をしてくれることを確信しています。そうした中で、いい改革が生まれ、自治体全体の信頼回復につながっていけばと切に願っています。

首長の多選制限は、「政治浄化」の入口に過ぎません。このほか入札改革や不当な「口利き」の防止、コンプライアンスの確立、選挙制度改革など、さまざまな仕組みが必要となります。

こうした取組みを、首長と議会という地方の代表機関が、しっかり主導権をとって実行しなければなりません。つまり、国への「お任せ」では実効性が保証できません。首長と議員が自らの血を流してでも「政治浄化」の大鉈(おおなた)を振るう責任があるのです。それが、有権者の信頼を回復する唯一の道だと思います。

【12月17日 神奈川新聞への投稿記事】
首長多選禁止の条例化を
 
 最近、入札汚職や裏金問題など知事の不祥事が相次いでいる。知事のひとりとして憤りを感じるし、厳しく自戒し、不正防止に取り組まねばならないと考えている。
そのためにも、首長の多選制限を制度化すべきである。もちろん首長の不祥事の原因は多選だけではないが、首長にはさまざまな権限が集中しているから、多選になると独善的な組織運営、人事の偏向、議会との癒着などの弊害が生じやすくなる。その結果、不祥事も生まれやすい。
首長の多選を制限し、「権力の時間的分権」を図る必要があることから、私は先日、県議会に対して知事は連続三期を超えて在任できないとする「知事の在任の期数に関する条例」を提案した。多選禁止条例の提案は全国でも初めてで、現在、県議会で真摯(しんし)な議論が行われている。
ところが、総務省は、公職選挙法などの現行法の下では、首長の多選禁止条例は違法だという解釈を示している。しかし最高裁の判例では、法律と条例が異なる規定をしている場合であっても、法律の目的と効果を阻害しないときは、法律に反しないと解されている。多選禁止条例は、多選の弊害防止という目的だから、選挙の公正かつ適正な実施という公選法の目的・効果を阻害するものでもなく、同法には反しないと考えられる。
特に、首長の選任は自治の根幹をなす手続だから、憲法の「地方自治の本旨」や二〇〇〇年の分権改革の理念からも、公選法が条例による独自制限を一切認めない画一的な法律と解することは妥当でない。条例が適法かどうかは制定権を持つ自治体が判断し、最終的には裁判所が判定すべきものである。
国は、そもそもこのような疑義が生じないよう法律を改正して、条例で多選制限ができるように明記すべきである。仮にそれが難しい場合は、条例制定は各自治体の判断に任せるべきだ。
一方、自治体は、多選禁止の必要性を主体的に検討し、必要であれば条例を制定すべきである。自治の根幹である首長の多選制限を国に「お任せ」では地方分権など勝ち取ることはできない。自治体の信頼回復のためにも首長の多選制限という地方政治改革を実現していきたい。

12月 25, 2006 政治改革 | | コメント (34)

2006年12月20日 (水)

あなたにとって「今年の漢字」は?~信なくば立たず~

12月12日、財団法人日本漢字能力検定協会から恒例の「今年の漢字」が「命」と発表されました。選定の理由は、「ひとつしかない命の重み、大切さを痛感した年」とのことです。協会では、1995年より毎年、その年を表す漢字一字を募集し世相漢字を決定しています。今年も、京都の清水寺の貫主様が、堂々たる文字で揮毫されていました。ちなみに、昨年は「愛」でした。

昨年の私の「漢字」は、「現」としました。「現地現場主義」の「現」からとったのです。平成17年4月から始めた「ウイークリー知事現場訪問」は、昨年12月時点で35回でありました。
これが今年12月には、ウイークリー知事現場訪問は、通算79回・107カ所となり、平成18年1月から始めた「マンスリー知事学校訪問」は、通算20回・23カ所を訪ねてきました。それぞれの現場に直接触れ、さまざまな課題に直面している人々の意見をうかがい、解決に向けた「生きた政策」づくりに取り組んできました。

そこで、私の「今年の漢字」ですが、

「信」

とします。

今年は、私としては「目標達成の年」と位置づけ、政策や改革の実現に向けて努力してまいりました。地方分権やマニフェストによる政策中心の政治改革にも取り組んできました。

ところが、世間では、「信頼」が揺らぐ出来事ばかりが頻発しました。

まず、年の初めからライブドア前社長の堀江貴文被告や村上ファンド前代表の村上世彰被告らの不正により、市場への「信頼」が損なわれました。これに関連して福井俊彦日銀総裁の投資問題で日銀への「信頼」も揺らぎました。

さらに秋以降は、官製談合などの知事や市長などの不正により、自治体に対する「信頼」が大きくそこなわれてしまいました。
この結果、全国知事会議では安倍総理から「知事自身が民意に背き、地方自治への熱意や志を捨ててしまったのではないか」との批判を受け、さらに国によって自治体の不祥事防止のためのルールを定めようという、「上からの規制」が検討される機運まで生まれてきてしまいました。
1970年代の「地方の時代」以降、営々と築いてきた地方分権の流れに、水を差す深刻な事態となっているのです。

私は自治体の長として、こうした事態を深く憂慮し、何としても自治体の「信頼回復」に全力を挙げなければなりません。
こうした決意を込めて、「信」という文字を胸に刻みたいと思います。

「信なくば立たず」

「政治が国民から信頼されなくなったら国家は終わりである」という政治の基本を表す孔子の言葉です。

現在開会中の県議会12月定例会に、知事の多選「禁止」条例を提案いたしました。これも首長としてできる「信頼」の確保をルール化するという意味があります。
私は、かねてから政治腐敗のひとつの原因にもなる知事の多選を防ぐ必要があると主張してきました。
ちょうど一年前、県議会12月定例会に、知事の多選「自粛」のための条例案を提出したのですが、残念なことに、議会ではご理解をいただけず、否決という結果となってしまいました。今回は、昨今の社会情勢や県民の皆様のご意見にも配慮し、改めて、恒久的な多選「禁止」条例を提案したのです。

自治体が自らの責任で信頼回復を図れるよう、全力を傾けていきたいと思います。引き続き不正根絶や政治浄化のために何ができるのか、さまざまな方策を打ち出してまいります。

今年もまもなく暮れますが、皆様にとってどのような一年だったでしょうか?
皆様にとって「今年の漢字」は何でしょうか?

財団法人日本漢字能力検定協会HP:http://www.kanken.or.jp/index.html

12月 20, 2006 政治改革 | | コメント (28)

2006年12月18日 (月)

「北川教授の政治塾」に出演しました

「分権改革推進の課題」などをテーマに、北川正恭早稲田大学大学院教授との対談を行いました。
株式会社チャンネルジェイによって動画配信とブログによる記事掲載がなされています。

第1回「分権改革推進の課題」
第2回「マニフェスト政治」
第3回「地方政治の改革」

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動画
http://www.channelj.co.jp/politics/dialogue/movies/chjnws_kitag3_j_113006.html

記事
http://blogs.yahoo.co.jp/blognews2005/44276545.html


                      松沢成文

12月 18, 2006 アナウンス | | コメント (20)