2007年12月27日 (木)

私の「今年の漢字」~「力愛不二」の教えとともに~

12月12日に、財団法人日本漢字能力検定協会は、2007年の「今年の漢字」を「偽」と発表しました。「何を信じたら良いのか、わからなくなった一年」との趣旨だそうです。協会では、1995年より毎年、その年を表す漢字一字を募集し世相漢字を決定しています。揮毫された京都の清水寺の森清範貫主は、「こういう字が選ばれるのは恥ずかしい。己の利ばかりを望む人が増えている。」と話されたという。ちなみに、昨年は「命」でした。

「何を信じたら良いのか、わからなくなった」ことは沢山ありますが、やはり政治について、その感想をお持ちの方が多いのではないでしょうか。昨年は、地方の首長の不祥事が相次いだのですが、今年は、国政で、信じられないような出来事が続いています。数え上げればきりがないのですが、最近、最も憤慨に堪えないのは、「宙に浮いた年金記録」に関する公約についての総理大臣や厚生労働大臣など閣僚の無責任極まりない発言の数々です。先の参議院選挙の際には「最後のお一人まですべての記録をチェックして、年金を払う」などの発言を当時の安倍総裁は繰り返し行っていました。その参議院選挙の際に掲げられた「『美しい国、日本』に向けた155の約束」と題された自民党のマニフェストの中にも、次の通り書かれています。

060. 社会保険庁解体の断行と年金記録問題への徹底対応
政府が管理する年金記録のうち、基礎年金番号に統合されていない約5,000万口については、1年以内にすべての名寄せを完了するなど、直ちに徹底的に精査をする。また、全国民が本来受け取ることができる年金を全額間違いなく受け取れるようにするため、5年の時効を超えた場合でも受給可能とし、これにより年金の確実な給付を行う。

さらに、福田内閣では、舛添厚生労働大臣が「3月までには名寄せを完了する」と公言し、国民の誰もが、3月までには年金が戻ってくるとの認識を植えつけられてきたのです。政治家である私も、「やればできるものだ」と半ば感心していたくらいでした。

ところが、その年金記録の特定ができないことが明らかになった時に、福田首相のコメントは、

 「公約違反というほどのおおげさなものなのかどうかね、と思いますけどね」

さらに、この言い訳として、

 「公約でどういうふうに言ったか、頭にさっと浮かばなかったから」

これは、どうかしています。こういう「開き直り」とも受け取れる無責任さは、許しがたいことです。
私はマニフェストによって、「有権者との約束」による政治、責任ある政治への改革を目指してきました。こういう政治家の無責任をはびこらせないために、マニフェストはあるのです。「どういうふうに言ったか」ではなく、きちんと自民党のマニフェストにはっきりと「文章」で書いてあるのです。
しかも、「年金問題」は有権者の最大・最重要な政策課題です。どう書いてあったか、選挙時にどのように約束してきたか、記憶にないようでは、首相が務まるはずはありません。
私は、政治家として、これらの一連の閣僚の発言は、聞き捨てならないし、恥ずかしさすら覚えます。

その福田首相の「今年の漢字」は、「信」だといいます。「信じるの信。信頼、信義ね」と12月11日に、記者にコメントしたそうです。もう一度、ご自身の発言を振り返り、「信」の一字をよく見直してもらいたいと思います。

少し「劣化した国政」についての悲憤が長くなってしまいましたが、気を取り直して、私の「今年の漢字」を発表します。

「力」(りょく、りき、ちから)

を選びました。

今年は、まず、2期目の選挙があり、マニフェスト2007「神奈川力全開宣言」を掲げて戦いました。マニフェストの中で、「神奈川力」は「先進力」と「協働力」と位置づけました。そして、有権者の皆様のご判断と「力」によって、200万票を超えるご支持をいただき、当選を果たすことができました。そして、今年は箱根開発の歴史をまとめた『破天荒力』(はてんこうりょく)という本も出版しました。
まさに、「力」に始まり「力」に終わる一年と言ってもいいと思います。
 
私が以前から敬愛している少林寺拳法の教えの中に「力愛不二」(りきあいふに)という言葉があります。力の無い愛は無力であり、愛のない力は暴力に過ぎません。そこで「力と愛、理知と慈悲を調和・統一させ、これを行動の規範として、自己の人生を安心で幸福なものとすると共に、社会の平和と福祉のために積極的に貢献していかねばならない」というのが少林寺拳法の重要な行動原理なのです。

このことは政治の世界でも通用します。数や力だけに頼った政治は、時に暴力となるでしょう。しかも、国民・県民の痛みを自らの痛みとして、おもんぱかれる心なくしては、いかに力を持った政治家であっても、それは「暴政」「圧政」になる危険性もあるのです。
同時に、政治が「信」を失っていないか、「愛」を忘れていないか、それを厳しく判断し、政治を変える「力」は、有権者のみが持っているということも忘れてはならないと思います。
 
来年に向けては、政治家が自戒して責任ある政治を執り行うことに期待したいと思います。同時に、有権者の皆様の見識ある「力」の奮起にも期待しております。

どうぞ、皆様、よいお年をお迎えください。

12月 27, 2007 あいさつ, 政治改革 | | コメント (398)

2007年9月18日 (火)

「相撲道」から学ぶ責任と倫理

9月3日の朝、移動知事室の一環で、川崎市にある神奈川県内唯一の相撲部屋である「春日山部屋」を訪問しました。相撲部屋にうかがったのは初めてのことでした。土俵のある稽古場には、張り詰めた空気が漂っていて、謹厳な気持ちになります。目の前で力士の皆さんの真剣な稽古を拝見ましたが、鍛え上げた肉体同士がぶつかり合う時には、重たい音が腹に響いてきて、圧倒される思いでした。

神奈川県の高校で相撲部があるのは6校、中学では川崎市内の7校です。国技である相撲をより一層振興する必要を感じていました。私は、マニフェストにスポーツの振興や部活動の活性化を掲げています。今回は、プロの力士の皆さんにも県内の学校や地域に出掛けていただき、子どもたちの指導をお願いしたいと申し上げに行ったのです。

そうしたお願いをしたところ、親方から「ぜひ知事も稽古を体験してみてはどうか」とお勧めをいただき、私も実際にまわしを締めて、ぶつかり稽古に挑戦することになったのです。幕内の春日王関に特別に胸を貸していただき、二番稽古を体験しました。春日王関は、韓国出身で身長184cm・体重154kg。私は「突進力」には自信があるのですが、正直言って「巌(いわお)にぶつかっている」という感じで、びくともしませんでした。部屋を訪問する政治家は数多いそうですが、実際に稽古を体験したのは私が初めてとのことです。
その後、ちゃんこをいただきながら、相撲道のあり方や若手力士の育成のご苦労などをうかがいました。

Img_727030
<力の入ったぶつかり稽古>

Img_728330
<礼に始まり、礼に終わる>

相撲は日本の国技であり、単なるスポーツではなく神事としての歴史もあり、また日本古来の武術でもあります。「相撲道」といわれるように、「心・技・体」のすべてを磨き上げていく修養の道です。私は、“私”を薄くして、“公”のために尽くす志を「サムライ・スピリッツ」と呼んでいますが、相撲道の精神に通じるものがあると感じました。

大相撲の最高位が「横綱」であり、角界の頂点です。横綱には、重い責任と高い倫理観が求められます。それに伴う精神的な重圧は、常人には計り知れぬものではないかと思います。そうした重責に耐え抜く精神を練磨することは並大抵のことではないでしょう。今回の訪問で、その厳しい鍛錬の一端を垣間見たような気がします。

さて、どの組織のトップにも、責任と倫理観は重要です。9月12日に、安倍総理大臣が、突然、辞意を表明されるという出来事がありました。政治家にとって出処進退は最高の政治倫理であります。しかし、今回の安倍総理の辞任には、そうした倫理観が見えないと感じています。辞任を発表された際の記者会見でも、辞任の理由などについての説明責任が十分に果たされているとは思えません。もちろん、国政のリーダーとしての重圧は相当なものであることは理解できます。しかし、だからこそ精神も肉体も鍛え抜き、国民のために尽くしきるという不退転の決意が求められるのです。

仏法のために命を惜しまず捧げるという「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」という言葉は、第65代横綱である貴乃花関が、横綱推挙の伝達式において、「相撲道に不惜身命を貫きます。」と口上述べたことで知られています。

また、坂本竜馬の「船中八策」にある「万機宜シク公議ニ決スベキ事」、あるいは「五箇条の御誓文」の「万機公論ニ決スヘシ」にあるように、政治家は、開かれた場で正々堂々と議論し、国民に対して納得のいく説明をしていく責務があるのです。そうした点から、今回の辞任は、国民が注視していた国会での代表質問の直前であり、まことに残念であったと言わざるを得ません。

対外的にも、また、国内においても政治課題が山積する中、一刻も早く、政治が正常に機能することを望んでやみません。同時に、このたびの出来事を他山の石として、私自身、不惜身命の精神で政治改革、政策実行にまい進していきたいと気持ちを引き締めています。

9月 18, 2007 スポーツ, 政治改革 | | コメント (144)

2007年8月 1日 (水)

「未来都市」上海へ

7月上旬、上海を訪問してきました。今回の第一の目的は観光誘致です。中国の経済成長は著しく、今後、日本への観光客の増加が見込まれます。そこで、今回は上海市の幹部へのトップセールスなどを展開し、神奈川県の観光のPRを行いました。上海市では、副市長をはじめ幹部の皆さんには、羽田空港からの直行便の就航をきっかけに観光や経済の交流を充実したいとお伝えしました。また、観光説明会を開催したところ、主要な旅行会社・メディアに参加していただき、手ごたえを感じました。

上海市は、国会議員の当時から何度か訪問しています。今回は7年ぶりだと思いますが、その都市発展には目を見張るものがありました。特に、都心部はまるでSF小説の未来都市を見ているような錯覚を覚えるほどです。2010年には、上海国際博覧会の開催が予定されおり、着々とその準備が進行していることを、万博事務局コンサルタントの新藤さんからうかがいました。

特に、未来都市を体感したのは、上海リニアモーターカーに乗車したときです。上海浦東国際空港と龍陽路駅の約30キロメートルを結ぶ世界初の営業路線のリニアモーターカーです。龍陽路駅のホームには、まさに未来都市に相応しい流線型の車体が輝いていました。座席は左右に3席ずつ、ジェット機のシートを思わせる座席です。出発直後は少し「ブーン」というような音がしたものの、あとは滑るようにぐんぐんと加速していきます。そしてあっという間に時速431キロメートルの最高速に達しました。車窓の風景はまさに飛ぶように過ぎていきます。約7分後には、浦東国際空港に到着しました。

正直言って、ちょっと興奮しました。というのは私の「マニフェスト2007 神奈川力全開宣言」には、政策18として「高速交通ネットワークの整備」を掲げ、その中で「横浜、川崎、羽田空港、成田空港などの首都圏の主要都市等を大深度地下リニアモーターカーなどで結ぶ超高速鉄道整備構想」を謳っています。今後、首都圏の他の自治体と連携して、構想を提案するよう研究に着手します。今回の上海リニアモーターカーの実体験で、この構想が決して「夢」ではないと確信しました。アジアにおいては、上海もそうですが、最近新幹線が開通した台湾あるいは韓国など、日本の都市とは熾烈な競争関係にあります。首都圏経済も、こうしたアジアとの競争を視野に置きながら、戦略的に構想を進めていく必要があるのだと、改めて感じました。

また、既にブログにコメントを寄せていただいていますが、今回、上海で活躍されている「神奈川県人会」の皆様や、進出している神奈川県企業の皆さんとも意見交換の機会を持たせていただきました。上海と神奈川は、競争関係にもありますが、同時に、経済・文化など幅広い面で、パートナーとしての関係もあります。実際に経済交流を実践されているビジネスマンやビジネスウーマンの皆様や進出企業の皆様は、両地域のパートナーシップ「市民外交」の担い手でもあるのだと実感しました。

さて、上海は未来都市のようだと最初に書きましたが、上海には古きよき街の面影もたくさん残っています。「バンド(Bund)」と呼ばれる通りに面したゴシック様式の建物群は、エキゾチックな上海の象徴と言われます。「バンド」は、実は横浜にもあるのをご存知でしょうか。横浜港に面した海岸通りのことを明治時代には「バンド」と呼び、外国人向けのホテルや商館が並んでいました。今でもその名残があります。ここでも上海と神奈川のつがなりを感じました。また、上海全体が水の都という風情もありますが、郊外にはベニスのような歴史的な水路の街も残っています。

このように「歴史」と「未来」が共存する都市という意味では、神奈川県との共通点がたくさんあることに気づきました。
これから上海・中国と、神奈川・日本の交流が大きく広がることを期待し、皆さんとともに、力を傾けていきたいと思います。

最後に余談ですが、今回おいしい食事をたくさんいただいた中、特に印象に残ったのは、シンプルな「青菜の炒め」でした。今度休みが取れた時には、家族と一緒に横浜の中華街で、おいしい青菜の炒めを食べようかと思っています。

8月 1, 2007 国際・外交 | | コメント (26)

2007年7月 5日 (木)

民主主義の「花」開け~マニフェスト外交の目指すところ~

神奈川県庁の正面玄関の植え込みのムクゲ(木槿)が間もなく花を咲かせます。この木は、1990年に友好提携先である韓国の京畿道知事からお贈りいただいたものです。
ムクゲは韓国の国花で、韓国語では「無窮花」と呼ばれるそうですが、これはひとつひとつの花は1日でしぼむのですが、毎日新たな花が咲き続けることに由来しているということです。

6月上旬に、韓国を訪問してきました。羽田空港から金浦空港へ約2時間のフライトでした。今回は、昨年の2月に続いてマニフェストによる政策中心の選挙改革に関する学術大会にお招きをいただいたものです。到着した夜には京畿道の金文洙(キム ムンス)知事と会談、翌朝には孫鶴圭(ソン ハッキュ)前京畿道知事との会談、その午後には学術大会での基調講演や討論への参加、地元メディアのインタビュー、さらに林采正(イム チェジョン)国会議長の主催による晩餐会と分刻みの日程でしたが、実に充実した意見交換ができ、マニフェストに関する日韓交流を深めることができました。

今回の学術大会で驚いたことは、「中央選挙管理委員会」が会議の主催団体となっていたことです。昨年2月に民間サイドでマニフェスト推進本部が創設されマニフェスト選挙の推進がスタートしたのですが、5月の地方選挙に向けては、中央選挙管理委員会がマニフェスト選挙の実現に向けて研修会を開催するなど大変に積極的な役割を担ったとうかがいました。今年は、12月の大統領選挙に向けてさらにマニフェストを浸透させるために中央選挙管理委員会が主導的な役割を果たしているのです。これは中央選挙管理委員会が、マニフェストによって政策中心のより公正な選挙を実現できると考えているからだとうかがいました。日本の選挙管理委員会にも、韓国の中央選挙管理委員会の実践をぜひとも見習っていただきたいと思いました。

最終日は、韓国で最先端といわれる京畿道の英語教育施設「坡州京畿英語村」や、韓国のハリウッドを目指している「韓流WOOD(ハンリュウウッド)」予定地、韓国国際展示場などを視察させていただきました。英語村は、生きた英語教育のためのテーマパークで、レストランや本屋さん、市役所や博物館などが造られ、村内では英語しか使えません。子どもたちがネイティブスピーカーと自然にやり取りしているのには目を見張りました。

また、今回は北朝鮮を望む「烏頭山統一展望台」を訪れ、南北分断の現実を目の当たりにしました。延々と鉄条網が張り巡らされ監視所が点在するイムジンガン(臨津江)やハンガン(漢江)を隔てて、もともとはひとつの国の間に厚い壁が存在することを実感しました。折りしも、カモメが南から北へゆうゆうと飛び渡っていきました。鳥には国境が無いのに、人間には厚い壁が立ちはだかっているのです。これも、政治の課題です。この「統一展望台」で、韓国の人々は祖国統一を祈るのだといいます。政治は人々の思いを実現し、自由と幸福を追求するためにあります。一日も早く、かつ平和的に南北が統一へと向かうことを政治家の一人として祈りたいと思います。

昨年から始まったマニフェスト日韓交流ですが、日本から同行してくれた訪問団は、昨年はNPOメンバー、研究者、議員、自治体職員等13名でありましたが、今回は3倍近い30名を数えました。また、昨年来、多くの自治体関係者や議員などの訪問団・研修団が韓国から日本へも来ていただいています。
これからも、選挙の改革や民主主義の発展を目指して、日韓双方で学びあい、いい意味での競い合いもしていければと期待しています。さらに、両国での実践を踏まえて、マニフェスト外交の流れがアジア諸国などへと波及していけるのではないかと思っています。

まさにムクゲの花のように、次から次へと民主主義の花が世界各地で咲き続けるように、韓国や日本の皆さんとともに力を合わせ、私もその一助になりたいと願っています。

7月 5, 2007 国際・外交, 政治改革 | | コメント (23)

2007年6月13日 (水)

『破天荒力』-箱根に命を吹き込んだ「奇妙人」たち-を出版

初夏の箱根には緑が萌え、風がさわやかに吹き渡ります。箱根は、神奈川県が誇る世界的なリゾート温泉地です。「もういちど行ってみたい温泉は?」というアンケート調査でも、第1位は箱根だといいます。私も子どもの頃から父に連れられて家族で年に1、2度は訪れていましたし、今は、私が家族とともに毎年泊りがけで出かけています。もちろん、県知事として、ウイークリー知事現場訪問や移動知事室などで、何度も箱根の各地に足を運んできました。

そうした機会にさまざまな方のお話をうかがったり、史料を勉強していくと、箱根開発には、まさに「奇妙人(きみょうじん)」とも呼ぶべき破天荒な民間人の活躍があったことが分かってきました。「奇妙人」とは司馬遼太郎さんの造語だと思いますが、私は、「自分の利益のためでなく、誰かに強制されたわけでもなく、とにかくコツコツと努力するのが好きな人」そして、「工夫して得た成果を、無償あるいは無償に近いかたちで公開し、誰かがそれを利用する姿を眺めるのを無上の楽しみとする人」と理解しています。最近は、利己主義の時代となり、自己利益や既得権を守ることばかりに集中する傾向がありますが、“私”を薄くして、“公”のために尽くす志=「サムライ・スピリット」を持った人が「奇妙人」ということもできます。

江戸末期から明治・大正にかけて、箱根開発を進めた奇妙人は、富士屋ホテル創業者の山口仙之助、福住旅館の福住正兄、そしてこの二人に大きな影響を与えた二宮尊徳と福沢諭吉、さらにそれを受け継ぎ国際リゾートとしての地位を確立した山口正造の5人です。私は、神奈川の力とは、先進力と協働力であると言っています。神奈川力を形づくる中心のひとつが「人材の力」です。箱根の特性を熟知し、その魅力を最大限に引き出してきたこれらの奇妙人の生き様に触れるたびに、深い感動と刺激を得ました。

これらの首都圏で最も近いリゾート温泉地、神奈川県が誇る国際観光地「箱根」を訪れる多くの皆さんに、その自然と温泉だけでなく、奇妙人たちのチャレンジの歴史も知ってほしいという思いで、『破天荒力』-箱根に命を吹き込んだ「奇妙人」たち-を刊行しました。

「箱根の奇跡」を生み出した五人の偉人たちの高い志を、この神奈川のそれぞれの地域で、現在もそして将来も受け継いでいきたいと思います。神奈川における破天荒な挑戦から、本物の「地方の時代」が創り出されるものと私は信じています。
大手書店やオンライン書店などで発売中ですので、ぜひ、ご一読いただければ幸いです。

※詳しくは私のホームページにアクセスしてみてください。
 http://www.matsuzawa.com/write/literary.html#12
※『破天荒力』-箱根に命を吹き込んだ「奇妙人」たち-(講談社刊、本体1,600円)

6月 13, 2007 地域, 歴史・文化, 県土づくり | | コメント (63)

2007年4月10日 (火)

「神奈川力」=「先進力」+「協働力」

4月8日の知事選挙において、県民の皆様にご信任をいただき、2期目の「マニフェスト改革」をスタートすることとなりました。
今回は、「マニフェスト2007 神奈川力全開宣言」を掲げ、政策一本勝負の選挙を展開しました。「神奈川の力」とは「先進力」と「協働力」にあり、この「神奈川力」で日本を動かしていくことを基本理念に据え、37の政策と11の先進条例を掲げました。提示した目標97本のうち数値目標は76本で、数値目標率78.4%に上ります。
このマニフェストが、私と県民の皆様との「約束」として信任をいただいたわけです。

今回のマニフェストづくりでは、特に、県民の皆様との「対話」と「参加」を重視しました。これまでも「現地現場主義」を実践し、県民生活の現場から課題を発見してきました。今回のマニフェスト作成にあたり、改めて「マニフェスト県民討論フォーラム」の開催やインターネットなどでの政策提案募集を行いました。その結果、58の県民や団体の皆様から123件のご提案をいただきました。このうち85件、約70%は何らかの形でマニフェストに反映しました。

「先進条例マニフェスト」は、全国初のチャレンジであります。今後、議会において大いに政策論議を重ね、議会と知事の共同作品として、最先端の政策条例を神奈川から全国に発信していきたいと思っています。

今回のマニフェストでは、政策中心の県政運営を重視し、新たに「部局長マニフェスト」を導入し、県庁が一丸となって改革に取り組む方針も盛り込んでいます。「県民とともに働く職員」の育成も新たな県庁づくりの方策です。

道州制の提案、首都圏連合の実現や都市内分権の推進などに強力に進めていきます。また、公共サービスを行政のみが担うのではなく県民の皆様やNPOなどとともに担う「協働型社会」を目指すことも明確に示しています。さらに、自治体外交を展開し、「世界のために貢献する神奈川県」という方向も打ち出しました。

今回の統一地方選挙では、ほとんどの首長候補がマニフェストを掲げたと聞いています。4年前に始まった「マニフェスト改革」が、いまや燎原(りょうげん)の火のごとく、全国に拡大し、定着してきたわけです。
私は、マニフェストによって、いよいよ政策中心・住民本位の改革に取り組む「改革派自治体」の大連合が生まれ、新たな分権型国家と協働型社会の形成を目指す時代がやってきたと思います。今後、日本の真の構造改革に向けて、多くの改革派自治体の皆さんに「改革派自治体連合の時代」を提唱していきたいと考えています。

そこで、まずは、神奈川から「歴史に残る仕事」を創り出していきたいと思います。県民の皆様、職員の皆さん、議員の皆様とともに、日本の歴史に残る仕事を一緒に創り出し、実現していきたいと願っています。ともに神奈川から日本を動かし、世界に向けて発信していきましょう。
  
We can create the future!
Let’s create the future together!

4月 10, 2007 政治改革 | | コメント (148)

2007年3月20日 (火)

ゲーム関連のコメントはこちらへ(Ⅲ)

ご提案がありましたように、前の「ゲーム関連」コーナーのコメントが多くなったのと、「最新の記事」の欄から外れていますので、新規の「ゲーム関連コーナー」を開設します。

引き続き、ゲーム規制に関連したコメントは、ゲーム関連のコーナーに限って書き込みをいただくよう、お願いします。
他のコーナーのコメント欄には、原則としてゲーム関連の書き込みはご遠慮ください。

これは、ゲーム規制関連のコメントが関連のないコーナーに投稿されていると、議論の連続性が見えづらくなるためと、ゲーム規制に関心をお持ちでない他の読者の皆様の便宜を図るためです。

さまざまな読者がいらっしゃることを御理解いただき、このブログでのひとつの「取り決め」として、マナーを守って、コメントを書き込んでいただくよう、お願いします。

3月 20, 2007 アナウンス | | コメント (705)

マニフェストを読んで選挙に行こう!

今年は、4月の統一地方選挙と7月の参議院選挙と、大きな選挙が行われる「選挙イヤー」です。

平成19年2月28日に公職選挙法が改正され、知事、市町村長の選挙において、マニフェストを掲載したビラが頒布できるようになりました。ただし、これはA4版で両面刷りのビラですから、具体的な政策を書き込んだ冊子型のマニフェストにはほど遠いものですが、地方選挙の改革としては一歩前進です。

4年前にマニフェストを掲げて統一地方選挙を戦ったときには、マニフェストの配布は、公職選挙法の制約があって、記載内容や配布には困難を極めました。
その後、平成15年10月には公職選挙法が改正され、国政選挙ではマニフェストの配布が可能になりました。

さらに、地方選挙においてもマニフェストを配布できるようにしようと、さまざまな運動が展開されてきました。
平成17年2月4日には、北川正恭さん(早稲田大学大学院教授、マニフェスト研究所所長)が呼びかけ人となって、私も参加して「ローカル・マニフェスト推進首長連盟」が設立されました。同日、市民や研究者が中心となる「ローカル・マニフェスト推進ネットワーク」も結成され、5月22日には「ローカル・マニフェスト推進議員連盟」もスタートしました。国会議員による「政権公約推進議員連盟」も結成されました。全国の皆さんの運動の成果として、ようやく2月の公職選挙法の改正になったわけです。

また、今年になって、日本青年会議所をはじめさまざまな団体・企業・個人が参加して、「マニフェストを読んで選挙に行こう。」プロジェクトがスタートしました。
この運動は、投票率のアップやマニフェスト型公開討論会の開催なども呼びかけています。そして、有権者に対して「『自分の街は自分でつくる』ということを自覚し、政策中心の選挙になるよう自ら努めよう。地盤・看板・かばんではなく、マニフェストを読んで選挙権を行使しよう」と訴えています。

マニフェストは、政策中心の選挙を実現するツールです。
もちろん私も、「神奈川力をつくる会」で、新たなマニフェストを作成し、公表しています。4月8日に投票となる神奈川県知事選挙では、ほかの候補予定者も政策を発表しています。

皆様も、どうぞマニフェストをよくお読みいただき、ぜひとも選挙に行きましょう!

「マニフェストを読んで選挙に行こう。」プロジェクトのホームページ
: http://www.manifesto-senkyo.jp/

3月 20, 2007 マニフェスト | | コメント (25)

2007年3月12日 (月)

ふるさと神奈川の第一次産業

つい先ごろ、神奈川で農林水産業に携わっている皆さんから、現場でのご苦労や課題をうかがい、将来のビジョンについて意見交換する機会がありました。

神奈川県の農業就業人口は3万5千人、農地は県土の8.8%を占めています。全国的にみれば決して多くはないのですが、農地の生産性は全国でもトップクラスです。そして、野菜は314万人分、牛乳は211万人分の年間消費量に相当する生産量があります。身近に大消費地を持つという特徴を生かして、「都市農業」が盛んな地域なのです。神奈川の農業は、新鮮で安全・安心な食料を供給してくれることはもとよりですが、農地は水源涵養機能や洪水を防止する機能も果たしています。そして、「農」のある風景は、私たちに安らぎを与えてくれます。

また、水産業の就業人口は2千300人です。生産量は80万人分に相当します。三崎のマグロは全国的に有名ですし、松輪のサバや小田原のかまぼこも神奈川のブランドになっています。相模川などのアユも釣り客には人気です。最近では、つくり育てる栽培漁業などが盛んに行われるようになっています。

林業の就業人口は約300人で、担い手の高齢化も目立っていますが、神奈川の森林面積は県土の40%もあります。森林は、水源を守り、土砂の流出を防ぐといった自然のダムの役割も果たしています。私も移動知事室で、高校生のボランティアと一緒に下草刈りをしましたが、今後、さらに県民参加で森林を守り、同時に産業としての林業を再生していく必要があります。

さて、私は、農業には個人的にも思い入れがあります。というのは、私は川崎市多摩区の農家の次男坊なのです。私が小学校に上がるころまでは、まだまだ農地や山林も残っていて、父や祖父と一緒に肥えをかついで、畑にまいて農作物を育てていたという経験もあります。そのころ、家では牛を30頭ほど飼っていて、雪印さんに牛乳を卸していました。月に1回、祖父と代金をもらいに行き、その後、祖父におんぶされて、横浜に出てマリンタワーや山下公園で遊ばせてもらって、港を見たという思い出が今でも残っています。
私にとって、「農」はふるさとなのです。

ウイークリー知事現場訪問では、これまでに、横浜市都筑区でトマトの水耕栽培を行っている温室の訪問(平成17年11月21日)を皮切りに、かながわ農業アカデミー(平成18年2月7日)、寒川町のJAさがみファーマーズマーケット「わいわい市」(平成18年2月1日)、平塚市の神奈川県農業技術センター(平成18年8月31日)などを訪問してきました。また、移動知事室でも、さまざまな農業の現場を訪ね、意見交換をさせていただきました。最近では、平成18年11月13日に、全国有数の露地野菜産地である三浦市を訪れ、観光もぎ取り農園や露地野菜栽培の現場を訪問し、さらに農業に意欲的に取り組む神奈川県農業経営士協会、神奈川県国際農業研究会、神奈川県農協青壮年部協議会、神奈川県女性農業者連絡協議会の皆さんと懇談を行いました。
また、移動知事室などで、漁業や林業に携わる皆さんとも意見交換をさせていただいてきました。

農林水産業に携わる皆さんは、自然とともに働き、命を育むお仕事をされているからでしょうか、どの方も「哲学」を持って生きていらっしゃるように思います。しかも、本当にさまざまな工夫を積み重ね、さらに新たな「技術」にチャレンジしていることに頭が下がります。

これまでに神奈川県では、「かながわ」で作られたものを「かながわ」で食べる「かながわブランド」(現在62品目)の普及促進、たい肥等による土づくりと化学肥料・化学農薬の使用の低減をめざす「エコファーマー」の認定、「地産地消」(地場生産・地場消費)を合い言葉に、農業、消費者、食品産業、学校給食の各団体と県がネットワークを組む「かながわ地産地消ネットワーク」の形成などを進めてきています。
さらに、こうした取組みを総合的に推進し、都市農業のある健康で豊かな生活の確保をめざして、平成18年4月1日から「神奈川県都市農業推進条例」を施行しました。 

安心・安全な「食」を確保することは、まさに、県民の健康と「命」を守ることにつながると思います。食は命の基本なのです。
最近では、遺伝子組み換え食品の安全性に関する懸念の声も聞かれます。こうした新たな課題にも取り組んでいかなければなりません。
その一方で、従来からある貴重な在来種の「遺伝子」保護も進める必要性も言われています。

県民の食と命を支える農業や漁業、緑と水を育む林業など、「ふるさと神奈川」の第一次産業の将来を、皆さんと一緒にしっかりと守り、育てていきたいと思っています。

3月 12, 2007 地域経済・産業 | | コメント (44)

2007年2月16日 (金)

万機公論に決すべし

「広く会議を興し、万機公論に決すべし。」とは明治元年(1868年)に示された明治政府の基本方針を示した「五箇条の御誓文」の第1条です。
これは、現代の政治においても通用する重要な方針だと思います。
現代のIT社会では、「会議」は実際に人が集まる会議だけでなく、インターネットを使った電子会議や電子アンケートのようなものも含めていいでしょう。

神奈川県では、昨年12月1日から、インターネットを利用したアンケート・システム「e-かなネットアンケート」を導入しました。2月15日までに、13本のアンケートを実施してきました。この仕組みは、誰でも参加できますが、「e-かなフレンズ」に事前登録をいただいた方にお答えいただく形のシステムです。

この「e-かなネットアンケート」で、18年12月27日から1月26日までの1カ月間、「他人のたばこの煙、どう感じていますか?」と題して、「受動喫煙を防止するための公共的な場所での喫煙規制について」意見を聴くアンケートを実施しました。

ところがこのアンケートが波紋を呼んでいるのです。
というのは、このアンケートの回答に際して、JT(日本たばこ産業株式会社)が、組織的に社員を動員して、「喫煙規制に反対票」を投じるように指示をしたことが読売新聞の取材で明らかになったのです。

このアンケートの結果は、4,047件のご意見をいただいたうち、主な回答は次のとおりとなりました。

「受動喫煙の健康影響について知っている」が 3,689件(91%)

健康増進法による受動喫煙防止対策の状況について
「進められていると思う」が 2,469件(61%)
「あまり進められていないと思う、進められていないと思う」が合わせて1,578件(38%)

受動喫煙を防止するために条例で特定の公共の場所の喫煙を規制することについて
「反対」が 1,985件(49%)
「賛成」が 1,738件(42%)

実は、アンケートを開始してから1月11日までは、賛成563票に対して、反対は29票。割合にして、賛成95%、反対5%という状況だったのです。これは、私自身がいろいろな講演会や集会の折に、実際に、会場の皆さんに手を挙げて賛否を聴いてきたのとほぼ同じ結果だったのです。

ところが、1月中旬から反対票が急激に増え始め、締切りの3日前になって反対が逆転するという形勢になりました。この間、「e-かなフレンズ」への登録者も、1月1日に577名、1月11日には933名だったものが、1月26日には4,378名にまで急激に伸び、その新規登録者のほとんどが反対票を投じたという状況がみて取れました。

こうした状況から、ある種の「組織票」が動いたのではないかと推察していました。そこへ、前述の新聞報道があり、JTの関与が明らかになったわけです。

私としては、「e-かなネットアンケート」は、一般の県民の皆さんの個人的な意見をうかがうという趣旨で始めたものですから、賛成・反対の立場を問わず、自由な投票や意見を出していただくことは、大いに結構なことだと思っていました。ただ、組織的な動員があったことには、残念な気持ちもあります。

こうしたアンケートには、バイアスがかかる場合もありますが、それであっても多様な方法で意見を表明いただくことは、自由であり、民主主義の基本であると考えています。私は、インターネットを通じて、今回のように生の反応が行政に直接寄せられたということ自体がこれまでにないことであり、意味のあることと受け止めています。

また、今回の喫煙規制については、このアンケートだけで方針決定するつもりはありませんでした。当初から、統計的な手法による調査も別途実施していく予定でした。さらに、有権者の皆様に判断いただく選挙の機会もあります。さまざまな意見を聴き、最終的には、議会の皆さんともしっかりと議論をして、県民の皆さんの健康を守るために、最善の政策を打ち出していきたいと思っています。


アンケート開始の記者発表(12月26日):
http://www.pref.kanagawa.jp/press/0612/23070/index.html
受動喫煙を防止するための公共的な場所での喫煙規制についてのアンケートの集計結果:
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/kenkou/gan/e-kananet/kitsuen_kisei.html

2月 16, 2007 健康 | | コメント (476)